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核被害ない社会に 原爆死没者記帳始まる 広島

 広島市は11日、原爆死没者名簿の記帳を始めた。昨夏以降に亡くなったり、新たに死亡が確認されたりした被爆者の名前を書き加え、8月6日に平和記念公園(中区)である平和記念式典で原爆慰霊碑に納める。

 市役所の会議室で、ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(70)=南区=と中本信子さん(69)=同=が記帳した。名簿を前に手を合わせて冥福を祈った後、墨で和紙に名前と死亡年月日、年齢を丁寧に書き込んだ。記帳されるのは11日現在、3155人。

 12年連続で担当する中本さんはこの日、東日本大震災から1年3カ月を迎えたことに触れ、「福島第1原発事故で被災した方の姿が思い浮かぶ。核被害がない社会を願って書きたい」と語った。

 市によると、昨年8月5日時点の記載者数は27万5230人で、名簿は計100冊。これとは別に長崎で被爆し、遺族の希望で納められた9人の名簿が1冊ある。

 市は8月5日まで遺族からの記帳申請を受け付ける。市原爆被害対策部調査課Tel082(504)2191。(田中美千子)

(2012年6月12日朝刊掲載)

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