×

ニュース

高暮ダムで平和の集い 庄原市高野 過酷な労働 犠牲者悼む

 戦時中、庄原市高野町の高暮(こうぼ)ダムの建設での過酷な労働で犠牲となった朝鮮人を悼む、平和の集いが11日、同町高暮地区であった。地域住民や県内の日本人と朝鮮人の中学、高校生、教員たち約100人が参加した。

 ダム近くの追悼碑前での碑前祭では、主催する高暮自治会の草谷末広さん(68)が「集いを続けてこられたのは、多くの参加者のおかげ」とあいさつ。日本側6校18人の生徒を代表して安田女子高2年の児玉梨里さん(17)と広島国際学院高2年の佐貫詩織さん(17)が「歴史から反省すべきことは反省し、ともに生きるために学び、行動したい」と誓った。

 12人が出席した広島朝鮮初中高級学校高級部1年の黄玲実(ファン・リョンシル)さん(16)は「同胞1世たちが経験した惨事を二度と繰り返さぬよう、平和で誰もが幸せに生きる社会を築いていきたい」と述べた。

 高暮ダムでは1940年の着工から約2千人の朝鮮人が過酷な労働を強いられた。碑前祭と学習会からなる平和の集いは、2000年から続いている。(伊東雅之)

(2016年9月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ