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騒音苦情 最多2078件 岩国市 昨年度の基地関係

 岩国市に寄せられた米海兵隊岩国基地所属とみられる航空機の騒音などへの苦情が2011年度は2078件と過去最多になった。国や市による騒音測定器でのうるささ指数(W値)は滑走路の沖合移設前より市内全域で低下しているが、苦情は逆に増える皮肉な結果になった。

 市議会定例会の一般質問への答弁で、杉岡匡・基地政策担当部長が明らかにした。

 市や中国四国防衛局によると、市内に計15カ所ある騒音測定器のうち、移設以前からある14カ所のW値の年間平均値は移設前の09年度より11年度が0・6~9・6ポイント低下していた。しかし、苦情は増えており、これまでの最多は10年度の2044件。11年度はさらに、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験などがあった3月の苦情件数が過去2番目の451件を記録するなどして最多を更新した。

 W値が低下したにもかかわらず、苦情が増えたのは、相次ぐ米軍による事件事故への市民の反発の表れともいえる。ただ、杉岡部長は「数値と体感は違う。飛行ルート変更や部隊交代の際に通常ルートを外れた飛行があることなどを、うるさいと感じたのではないか」と説明した。

 市によると、沖合移設前に米軍機は滑走路北側を離陸してすぐに東へ旋回していたが、移設後は約2・5キロ北まで直進してから東旋回しているという。(堀晋也)

(2012年6月13日朝刊掲載)

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