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全員勝訴ならず 判決に不満の声 広島の原告

 広島と長崎で被爆した愛知県の男女4人のうち、男性2人を原爆症と認めた名古屋地裁の判決。広島高裁と同地裁で係争中の原告たち計4人が広島市中区で会見し、「全員勝訴」とならなかった判決に不満の声を上げた。高齢化する原告の体調を踏まえ、改めて早期の認定を求めた。

 広島地裁に提訴している原告25人の1人、南石淑江さん(72)=安芸区=は「幼い頃から体が弱く、今も体調に不安がある。早く認めてほしい」と訴えた。広島高裁で係争中の内藤淑子さん(72)=安佐南区=は「勝訴と敗訴に分かれるのは悲しい。被爆者に寄り添って」と話した。

 この日の名古屋地裁の判決は、4人の疾病を放射線の影響と認める一方、2人については、治療の必要性(要医療性)を認めなかった。広島訴訟の弁護団長を務める佐々木猛也弁護士は「広島の原告たちは病状の経過観察も含めて医療と考えている。再発や悪化の可能性が高くないと要医療性を認めないのは、厳しい判断」と受け止めていた。

(2016年9月15日朝刊掲載)

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