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オスプレイ 飛行経路 国に確認へ 広島知事 安全確保も求める

 防衛省が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを米軍普天間飛行場(沖縄県)に配備する前に米海兵隊岩国基地(岩国市)に先行搬入する方針を山口県と岩国市に伝えたことに関し、広島県の湯崎英彦知事は12日の記者会見で、試験飛行ルートや普天間に配備できない場合の対応を同省に確認する考えを示した。

 米軍は普天間に配備する12機を10~14日間程度、岩国に駐機させる方針。湯崎知事は「飛行ルートの詳細は未定と聞く。県上空を飛ぶ事態が想定されるなら安全確保をお願いしたい」と強調した。

 沖縄県は普天間への配備に反対しており、一時駐機にとどまらない可能性もある点には「それを踏まえて(防衛省に)話を聞いておきたい」と述べた。

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる必要性を野田佳彦首相が表明したことについては「国民生活への影響を踏まえた判断と受け止める。尊重していいのでは」と支持した。(野崎建一郎)

廿日市市が反対要請

 廿日市市は12日、オスプレイの一時駐機先として米海兵隊岩国基地を使用しないよう求める文書を、玄葉光一郎外相たちにファクスで送った。

 要請文では、4月にモロッコで墜落事故が起きていることなどを挙げ「試験飛行であっても、基地周辺の住民の安全を脅かす機種の一時駐機は容認できない」としている。ほかに、森本敏防衛相、ジョン・ルース駐日米大使に送った。(桑原正敏)

オスプレイ岩国先行搬入 質問・拒否相次ぐ 市議会

 岩国市議会は12日の一般質問で、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米海兵隊岩国基地(岩国市)への先行搬入計画について、市議から質問や搬入拒否の要望が相次いだ。福田良彦市長は「早期に方向性を出す」と述べた。

 味村憲征氏(岩国クラブ)は「愛宕山地域開発事業跡地の国への売却問題が解決し、空港開港日が決まったタイミング。(国と市の間に)あたかも取引があるのではとの臆測もあり、遺憾だ」などと質問した。

 福田市長は「政府から『民間空港とは一切関連はない』と明確に説明を受けた」などと、11日の防衛政務官の報告を繰り返した。受け入れの是非については「議会にも早期に一定の方向性を報告したい」とした。

 姫野敦子氏(清風ク)は「沖縄への配備の筋道を岩国がつくることになる。『苦渋の選択』という言葉で、いつもの解決にならぬような判断を求める」と、搬入受け入れを拒否するよう要望した。(大村隆)

岩国基地議連 大半が「反対」 臨時総会で表明

 在日米軍再編に協力姿勢の岩国市議でつくる「岩国基地問題に関する議員連盟」(21人)は12日、臨時総会を開き、米海兵隊岩国基地への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの先行搬入計画について意見交換した。大半の議員が「反対」の意思を示した。

 臨時総会は本会議終了後に開催した。議員からは「国は3月の一時駐機案が浮上した際、岩国はないと言った。二枚舌だ」「国は、沖縄としっかり向き合ってから話に来るべきだ」など、国への不信や怒りの声が相次いだ。「国防の観点から考える必要もある」といった意見もあった。会長の桑原敏幸氏は「岩国への搬入は厳しいとの印象を受けた」と話した。

(2012年6月13日朝刊掲載)

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