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旧海軍2施設 来春使用中止 青山クラブ/桜松館 国、解体せずに売却方針 呉

 旧海軍の宿泊施設で「東洋一の水兵の家」と呼ばれた呉市幸町の「青山クラブ」と、隣接する「桜松館」の計2館の使用が来春にも中止されることが14日、国などへの取材で分かった。国は原則、両施設を解体せず、現状のまま売却する方向で検討している。(浜村満大)

 青山クラブは1903年に旧海軍の集会所として建設され、増改築を経て36年に現在の姿になった。鉄筋地下1階、地上3階建ての延べ1万927平方メートル。かつては旧海軍や防衛庁共済組合の宿泊施設だった。現在は海上自衛隊呉地方総監部の援護業務課や海自隊出身者たちでつくる呉水交会などが事務所として一部を使う。

 桜松館は05年、日露戦争で活躍した巡洋艦「吉野」と「高砂」の功績をたたえ建設された。29年に建て替えられ、鉄筋地下1階、地上2階建ての延べ1963平方メートル。かつては銃剣道の道場や演劇の上演などで使われた。80年から現在まで海自隊呉音楽隊が練習拠点として利用する。

 両施設の老朽化に伴い、国は使用中止を決定した。青山クラブ近くの一帯で鉄筋2階建ての新庁舎の建設と既存庁舎3棟の改修を進め、本年度中に整える見通し。海自隊関係者によると、両施設を現在使っている団体は来年6月末までに新庁舎などに移転する見通しという。

 両施設について中国財務局は「国の施設として今後、使うことはない。解体も考えていない。今ある状態で原則、売却する方針でいる」と説明している。

(2016年9月15日朝刊掲載)

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