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上関の希少生物 252種紹介の冊子 原発反対団体が作成

 中国電力の上関原発(山口県上関町)建設計画に反対する環境保護団体「上関の自然を守る会」が15日、予定地や周辺海域で確認してきた珍しい野生動植物を紹介する冊子「レッドリスト上関」を作った。一帯は豊かな自然環境が残っているとして、後世に継ぐ重要性をアピールする狙い。

 建設予定地の田ノ浦湾や近海で見つかった鳥や貝、海藻類など252種類を、写真や発見場所とともに掲載。国際自然保護連合(IUCN)や環境省が、絶滅危惧種をまとめたレッドリストへの掲載の有無も明記している。

 いずれも守る会のメンバーや研究者たちが1999年以降、予定地の田ノ浦湾や近海で続けてきた調査で確認した。2012年にインターネット上で公開した段階から32種類増えたという。A4判カラー、26ページ、5千部を印刷した。上関町民には無料で配るほか、希望者には500円で販売する。

 中電が海を埋め立てるための環境アセスメントで公表したのは117種類という。守る会の高島美登里代表は「瀬戸内海の豊かな自然を残す最後の場所だ。原発などで破壊するのはやめてほしい」と訴えている。

 高島代表たちは同日、県庁で冊子を県に提出した。県が17年度末に改訂するレッドデータブックに冊子の情報を反映し、予定地の埋め立て免許を取り消すよう求めた。

(2016年9月16日朝刊掲載)

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