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緊急時対策所 工事遅れ 島根2号機 年度内再稼働 困難に

 中国電力は15日、島根原発(松江市鹿島町)の事故時に指揮命令拠点となる緊急時対策所の建設工事に着手したと発表した。島根2号機の再稼働に必要な施設だが、運用開始は当初予定の2016年度内から遅れる見通しで、2号機の16年度再稼働も困難となった。

 2号機と同様、再稼働の前提となる国の審査を受ける他の原発を参考に、詳細設計を慎重に進めたため。床面積は約600平方メートルから約660平方メートル、緊急時対策本部は約240平方メートルから約280平方メートルに拡大した。中電は「建物自体は16年度内の完成を目指すが、発電機や空調設備を含めた年度内の運用開始は難しい」としている。

 対策本部は、敷地内の海抜50メートルの高台にある免震重要棟に設ける予定だった。しかし、耐震設計の目安となる基準地震動を引き上げるなどした結果、床にひび割れが生じる可能性が判明。3月末、東隣に耐震構造の緊急時対策所の新設を決めた。(秋吉正哉)

(2016年9月16日朝刊掲載)

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