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山口で被爆証言収録 広島追悼祈念館 来月まで 中四国22人

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は15日、広島県外で暮らす被爆者の証言映像の収録を始めた。2003年度からこれまでに、県外の被爆者323人の証言映像を集めており、今回は岩国、山口市や安来市など中四国の計22人を撮影する。

 この日は、山口市に住む2人の証言を収めた。同市仁保下郷の伊藤美代子さん(87)は16歳の時、学徒動員で赴いていた富山県から山口市に列車で帰る途中、入市被爆した。広島市に原爆が落とされた翌日の7日早朝に海田市駅(広島県海田町)で足止めされ、己斐駅(現西広島駅、広島市西区)まで歩いた。「死体の山だった。いまでも夢に見る」と明かしていた。

 山口市道場門前の大内塗職人小笠原貞雄さん(89)も入市被爆した体験を語った。収録は10月中に終える予定で、証言映像は祈念館やホームページで公開される。(折口慎一郎)

(2016年9月16日朝刊掲載)

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