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「安保法違憲」被爆者ら提訴 広島

 集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法は違憲だとして、広島県の被爆者たち165人が16日、関連法に基づく自衛隊の出動差し止めなどを求める訴えを広島地裁に起こした。弁護士たちでつくる「安保法制違憲訴訟の会」(東京)が呼び掛け、全国で提訴している集団訴訟の一環。

 訴えによると、関連法は集団的自衛権の行使を「存立危機事態」における防衛出動として容認し、戦争放棄や交戦権を否認した憲法9条に違反していると強調。「世界中で自衛隊の活動を認め、戦争に巻き込まれる恐れがある」と訴えている。戦争やテロの恐怖で精神的な苦痛をこうむり、平和的生存権を侵害されたとして、1人当たり10万円の賠償も国に求めた。

 提訴後、原告団は広島市中区で会見。原告団の共同代表の一人で、核兵器廃絶を目指すヒロシマの会の森滝春子さん(77)=佐伯区=は「戦争や原爆で非業の死を遂げた人たちのためにも戦っていきたい」と話した。一方、国は「安保法は国民の命と暮らしを守るために必要不可欠。適切に対応する」としている。(有岡英俊)

神奈川でも254人

 安全保障関連法の制定により平和的生存権を侵害され精神的苦痛を被ったとして、神奈川県民ら254人が16日、国に1人当たり10万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。

 東京や大阪などで起こした集団訴訟の一環で「安保法制違憲訴訟かながわの会」が呼び掛けた。原告は神奈川県などに住む20~90代の男女。

(2016年9月17日朝刊掲載)

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