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「この世界」の魅力 解説 呉美術館 雑誌編集者招く

 戦中戦後の呉、広島を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」と原作漫画の原画を紹介する特別展(中国新聞社主催)が開かれている呉市幸町の市立美術館で17日、宝島社(東京)の薗部真一さん(37)が見どころを講演した。

 同社は有識者アンケートを基におすすめ漫画を紹介する書籍「このマンガがすごい!」を発行。編集長を薗部さんが務めている。

 講演では、1945(昭和20)年7月の設定で描かれた原作漫画が、2008(平成20)年7月に少年向け漫画雑誌に連載されたことを紹介。主人公が右手を失った後の漫画の背景画は、左手で描かれている点にも触れた。

 原作者こうの史代さんのこうした徹底ぶりについて、薗部さんは「漫画と向き合う覚悟が感じられる」と話していた。講演後、大阪市の京都精華大4年長石智保さん(22)は「編集者ならではの視点を聞けた」と感激していた。(小笠原芳)

(2016年9月18日朝刊掲載)

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