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尾崎さんの志 胸に刻む 戦前にアフガンで農業指導 留学生が防府の旧宅訪問

 戦前、農業指導員として日本からアフガニスタンに初めて派遣された山口市出身の尾崎三雄さん(1902~86年)が亡くなるまで暮らした防府市真尾のかつての自宅を22日、山口大に留学中の同国の学生たちが訪問した。尾崎さんの足跡を調べている宇部西高の藤村泰夫教諭(56)が企画した。

 現在は娘の昭子さん(78)家族が暮らす住宅を訪れたのは、同大大学院経済学研究科の留学生や教授たち10人。案内役をアジア経済研究所(千葉市)の鈴木均・上席主任調査研究員(58)が務めた。尾崎さんが農林省職員だった35年から3年間、同国に招かれて滞在中に残した手記を紹介。害虫の駆除法などを指導したことを伝えた。

 昭子さんは、尾崎さんが現地から持ち帰った衣装や同国の国旗などを披露した。同研究科2年のアハマド・カリド・アフレディさん(30)は「尾崎さんは母国の農業の指導に尽力してくれたと聞いている。当時の持ち物もきれいに残っていて驚いた」と話していた。

 11日で米中枢同時テロから15年となったのに合わせて訪問を企画したという藤村教諭は「アフガニスタンを取り巻く国際情勢は依然として厳しい。尾崎さんを通じた山口とのつながりを感じ、交流を深めていきたい」と誓っていた。(原未緒)

(2016年9月23日朝刊掲載)

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