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潜水映像基に展示一新 CGで海底の姿再現 あすから呉・大和ミュージアム

 呉市は5月に実施した戦艦大和の潜水調査の結果を踏まえ、大和ミュージアム(宝町)の関連部分の展示を28日から、大幅に入れ替える。海底に沈む大和を再現したジオラマを撤去し、CGや潜水映像で現在の大和の様子が分かるタッチパネル方式の情報端末を新設する。(今井裕希、浜村満大)

 情報端末は42インチの画面で、「大和の現在」のコーナーに設ける。海底に横たわる大和をCGで再現。パネルに触れると、波の抵抗を減らす球状艦首(バルバスバウ)や主砲塔など5カ所の説明文や潜水調査時に写した映像が見られる。

 実物の350分の1で展示していたジオラマは、1999年の民間の調査を基につくった。艦央と艦尾の間の断裂の仕方が実際はもっと深いことなどが今回の調査で分かった。船体の方角も異なっていた。CGなどで現在の姿をより忠実に再現する。

 潜水調査映像は、約7分と約14分の2種類に編集し、館内で繰り返し流す。主砲塔の台座部分▽砲身が鮮明な前部副砲▽水上観測機を打ち出すカタパルト―などが確認できる。

 市学芸課の新谷博課長は「より正確な現在の大和の姿を見てもらえる。2時間ほどの戦いで3千人以上の命が失われた事実について考えてほしい」と話す。

 呉市は5月10~27日、東シナ海の沈没海域に民間の調査船新日丸(697トン)を派遣し、市として初めて調査。写真約7千枚とデジタル映像約50時間分を撮影した。レーダーなどで計測もした。

戦艦大和
 旧日本海軍連合艦隊の旗艦。1937年11月に呉海軍工廠(こうしょう)で起工し、当時の最新技術を駆使して41年12月に完成した。全長263メートル、基準排水量6万5千トン。射程40キロを超える口径46センチの主砲を搭載した。45年4月の沖縄特攻で米軍機の攻撃を受けて沈没。乗組員3332人のうち、3056人が犠牲となった。

(2016年9月27日朝刊掲載)

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