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「原爆体験記」を音源化 広島平和祈念館 朗読収録 ネット公開

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は、市が被爆5年後に初めて募った「原爆体験記」15編の朗読音声を館内の情報端末で公開した。うち14編はウェブサイト「平和情報ネットワーク」でも聴ける。目の不自由な人たちに、被爆者が生々しい記憶のままに記した惨状や悲しみを伝える。

 いずれも遺族の同意を得て、同館の朗読ボランティアの声で録音。27日に聴けるようにした。動員された教え子を亡くした女性教諭たち3人の手記を担当した、ボランティア網本えり子さん(63)=廿日市市=は「大事な人を奪われた気持ちから原爆のむごさを感じてほしい」と言う。

 同館は外部の朗読音源を収蔵していたが、独自に朗読を収録したのは初めて。「旧字体の原稿を読みにくいと感じる若者にも活用してほしい」としている。これら15編を含む計17編を、関連資料を交えて館内の企画展で紹介している。12月28日まで。(水川恭輔)

(2016年9月29日朝刊掲載)

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