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ベトナム 続く異常出産 枯れ葉剤被害 専門家が訴え

 ベトナム戦争で米軍がまいた枯れ葉剤の影響とみられる障害児を支援している、ベトナム・フエ医科薬科大のグエン・ビエット・ニャン遺伝学部長(53)が7月28~30日、東広島、山口、下松の3市で講演する。残留ダイオキシンによる異常出産が続く実態を報告。救済への連帯を訴える。

 ニャン学部長は、1961~71年にまかれた枯れ葉剤の影響をベトナム中部で90年代後半に調査。散布地域の異常出産の発生率は非散布地域の2~20倍だった。99年に2世被害者の支援団体を設立。リハビリや保健指導に取り組む。ただ、資金力もなく支援体制は十分ではないという。

 今回、現地と交流を続ける3市の支援団体から招かれた。ニャン学部長は「長期的な被害は原爆と似通う。ベトナムの実情を伝え、日本からの支援につなげたい」と語る。

 28日に下松市のスターピアくだまつ、29日に山口市の労福協会館でいずれも午後2時から。30日は東広島市西条町の東広島保健医療センターで午後3時から。下松、山口では、放射線影響研究所(広島市南区)臨床研究部の錬石和男顧問が原爆の放射線被害について話す。いずれも無料。

 東広島は広島ベトナム平和友好協会Tel082(423)7235。下松、山口は岩本晋さんTel090(3377)3503。(教蓮孝匡)

(2012年6月18日朝刊掲載)

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