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地方紙記者が見たヒロシマ オバマ氏訪問や記憶継承取材

 全国のブロック紙や地方紙の若手記者8人が今夏、広島市の国内ジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」に参加し、原爆被害や被爆の記憶継承の取り組みを取材した。8人の書いた記事や連載は、各社の了解を得て中国新聞社ヒロシマ平和メディアセンターのウェブサイトに掲載している。

 ほとんどの記者が取り上げたのが、5月のオバマ米大統領の広島訪問。被爆者らの受け止めや、原爆資料館の入館者が増えるなどの「余波」を紹介した。西日本新聞(福岡市)は、オバマ氏と抱擁した被爆者の森重昭さんにインタビュー。原爆で亡くなった米兵捕虜に関する長年の調査の成果や今の思いなどを聞いた。

 中日新聞(名古屋市)は米スミソニアン航空宇宙博物館で企画された原爆資料展示が退役軍人の猛反発で中止に追い込まれた1995年に原爆資料館長だった原田浩さんに取材。オバマ氏訪問の評価や米国の変化について語ってもらった。

 それぞれの地元に引きつけたニュースも目立った。大半の記者が8月6日の平和記念式典に参列した地元の遺族代表の思いや行動を取り上げた。下野新聞(宇都宮市)は、栃木県の各市町による中学生の広島派遣が今年、過去最多の187人になったことを伝えた。神戸新聞は、兵庫県姫路市出身の医師で、被爆者の調査と治療に力を尽くした都築正男氏の没後55年に合わせて、業績をあらためてつづった。

 静岡新聞は、核兵器なき世界を目指す被爆2世や若者の活動などを1ページ特集にした。徳島新聞や愛媛新聞、新潟日報、下野新聞は記憶の継承などに焦点を当てた連載を展開した。

 ヒロシマ講座は、地方紙などの記者に被爆の実態や核兵器廃絶の取り組みについて記事を書いてもらうため、広島市が2002年から毎年開催。今夏は、20、30代の8人が原爆資料館や平和記念式典、平和首長会議の活動などを取材した。

広島市 国際ジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」参加記者の記事

(2016年10月3日朝刊掲載)

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