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被爆ピアノ 沖縄で音色 小学校など巡回

 広島で被爆したピアノが20日から25日にかけて、沖縄県内各地で演奏される。本土復帰から40周年を迎えた沖縄県の「慰霊の日」(23日)に合わせて企画。平和コンサート会場や小学校を巡回し、鎮魂の音色を届ける。

 沖縄本島の南風原町、中城村、宜野座村のホール、公民館など計3会場である平和コンサートに参加。宜野湾市、名護市、本部町の小学校計3校も訪問する。作曲家の太田美知彦さん=東京都=が演奏し、地元の子どもにも弾いてもらう。

 ピアノはアップライト型の2台。広島に原爆が投下された1945年8月6日、爆心地から1・8キロの民家と2・6キロの民家でそれぞれ被爆した。いずれも爆風で刺さったガラス片の跡など無数の傷が残っている。

 文化活動の振興を目指す沖縄のNPO法人が、ピアノを所有する広島市安佐南区の調律師矢川光則さん(60)に協力を依頼した。矢川さんは「地上戦で多くの犠牲が出た沖縄は、広島と共通の悲しい歴史を持つ。手を取り合い、平和であることの幸せについて考える機会になれば」と期待している。(永里真弓)

(2012年6月19日朝刊掲載)

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