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中電、基準地震動を追加 島根原発

 中国電力は19日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)について、地震による最大の揺れの強さの想定(基準地震動)を新たに追加すると発表した。周辺海域の三つの活断層(総延長51・5キロ)が連動した地震が発生した場合、一部で既存の地震動を上回るため。6月中に原子炉建物などの耐震安全性評価(バックチェック)に着手し、耐震化工事の必要性を判断する。

 この日、経済産業省原子力安全・保安院が東京都内で開いた意見聴取会の指摘を受け追加を決めた。バックチェックの評価結果は、原発の再稼働に必要なストレステスト(耐性評価)に反映させるという。チェック結果を保安院に報告し、妥当との評価が得られた後でテストを提出する。

 チェック期間は「長期にはならない」という。定期検査で停止中の2号機のストレステスト提出を「秋より早い時期」(苅田知英社長)とする計画に影響するかどうかは不透明だ。

 一方、三つの活断層の連動を想定した場合の原発敷地内への津波の最高到達水位も新たに示した。既存値の5・7メートルを1、2号機沿岸部で6・0メートル、3号機沿岸部では8・7メートルとしたが、敷地の高さ(8・0メートル)と防波壁の高さ(14・5メートル)を下回り、「対策は不要」という。(樋口浩二、山本洋子)

(2012年6月20日朝刊掲載)

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