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拉致被害者の早期救出訴え 蓮池さん山口で講演

 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(59)が、山口市の県総合保健会館で講演した。拉致問題について「被害者の救出は緊急を要する。核やミサイルの問題と切り離し、解決する意思を世界に発信し続けてほしい」と政府に要望した。

 蓮池さんは北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を強行し、国際社会が制裁を強化している現状を紹介。「追い込まれた北朝鮮は譲歩どころか、正面突破しようとしている。話し合いが難しくなり、拉致問題は埋もれつつある」と懸念を示した。

 その上で、拉致問題を巡る日朝協議の進展に備えて「なぜ日本だけが話し合いをするのか、という国際社会の批判を防ぐ雰囲気をつくるべきだ」と訴えた。被害者の帰国には見返りが必要として、核やミサイル開発につながらない経済支援策の必要性も指摘した。

 蓮池さんは1978年、新潟県柏崎市で拉致された。2002年に帰国し、現在は同市の新潟産業大准教授。講演会は山口商工会議所青年部が主催し、約650人が参加した。(村田拓也)

(2016年10月12日朝刊掲載)

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