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ピーターソンさん 谷本清平和賞受賞 被爆2世 原爆の記憶継承

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(広島市佐伯区、鶴衛理事長)は12日、第28回谷本清平和賞に米ハワイ・プナホウ学園の元日本語教師で、被爆2世のピーターソンひろみさん(68)=ホノルル市=を選んだと発表した。平和教育や国際交流を通じ、次世代へ戦争と原爆の記憶の継承を進めた功績を評価した。

 ピーターソンさんは広島市南区出身。両親ときょうだい3人が被爆し、父親は右半身に大やけどを負った。1972年、米国人との結婚を機にハワイへ移住し、オバマ大統領も通った同学園で84年から2014年まで日本語教師として勤務。原爆被害を扱った中高生用の日本語教科書を出版し、平和教育を進めた。

 教科書の印税で創設した基金の一部を使って09年から毎夏、同学園の高校生2人と教師1人を広島市へ平和学習に派遣。今年5月のオバマ氏の広島訪問時はピーターソンさん自身が市内を訪れ、広島県内の高校生たちと交流した。

 ピーターソンさんは「立派な賞をいただき、光栄。これからも平和を築きあげる人を育てることを使命に生きていく」とコメントを寄せた。11月13日、中区である授賞式に出席する。

 同賞は被爆者支援に尽くした広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、87年に創設。世界平和の実現に向けて活動する個人や団体に贈っている。(水川恭輔)

(2016年10月13日朝刊掲載)

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