×

ニュース

「伊方」事故想定 訓練へ 山口県・上関町 来月11日 再稼働後初めて

 山口県と上関町は11月11日、同町の離島、八島の一部が半径30キロ圏内にかかる四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)での重大事故を想定した原子力防災訓練をする。同原発3号機が8月12日に再稼働してからは初めてで、愛媛県側の訓練に合わせて実施する。本年度から八島住民の島外避難所となった町総合文化センターでは簡易除染の手順などを確認する。

 訓練は地震で3号機の電源が喪失し、原子炉格納容器が破損して放射性物質が外部に漏れたとの想定。県と町は「訓練内容の詳細は調整中」とする。同島の人口は1日現在29人で高齢化率も89・7%と高いため、住民避難は例年通り島内での屋内退避に限定した訓練になりそうだ。

 町は島外避難所を本年度から、中央公民館から町総合文化センターに変更した。同センターに県が設置する救護所では、県職員が島民役の町職員たちに、被曝(ひばく)線量などを調べる検査や簡易除染をする。そのための部屋割りや動線を確かめる。

 訓練は、県と町がそれぞれの地域防災計画の中で、八島全体を原発から半径30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)と位置付けた2013年から毎秋実施している。3号機は東日本大震災直後の11年4月の定期検査で停止し、ことし8月に再稼働した。町は「島民への迅速な情報伝達、新たな島外避難所での円滑な運営手段を探っていきたい」としている。(佐藤正明)

(2016年10月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ