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広島の世界遺産伝えて 原爆ドーム・厳島神社 5カ国大使ら巡る

メキシコ大使「心が動かされた」

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)と厳島神社(廿日市市)を外国の駐日大使たちが巡るツアーが16日、あった。12月の世界遺産登録20周年を機にドームの平和のメッセージと神社の魅力を発信してもらおうと、県や広島市、廿日市市などの実行委員会が初めて企画。参加者はドーム内部などを見学し、歴史の重みに思いをはせた。(根石大輔)

 米国とメキシコ、デンマーク、チリ、韓国の5カ国の駐日大使や報道担当官たち9人が参加した。原爆ドームでは、普段は立ち入り禁止の敷地内を見学。ドーム内部に張り巡らされた鉄骨や原爆の爆風で散乱したがれきに見入っていた。

 原爆資料館では、オバマ米大統領が5月に広島を訪問した際に贈った折り鶴などを見て回った。おりづるタワーの展望台にも上がり、原爆ドームや平和記念公園、宮島(廿日市市)を一望した。

 宮島には原爆ドーム近くの元安川の桟橋から船で渡り、厳島神社を訪問。弥山本堂では座禅を体験した。

 メキシコのカルロス・アルマーダ駐日大使(65)は「原爆ドームを見学した時、一帯で暮らしていた人々を思い、心が動かされた。ドームと厳島神社は、単なる観光地ではなく精神的な場所。母国でも魅力を伝えたい」と感慨深げに語った。

(2016年10月17日朝刊掲載)

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