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市民と交流 人権学ぶ場 瀬戸内 ハンセン病療養所に会館

 国立ハンセン病療養所邑久光明園(瀬戸内市)は17日、同園の入所者と市民たちの交流施設「社会交流会館」を開設した。国の隔離政策の歴史を後世に伝え、人権学習の場とする。

 約40人が出席し記念式典。青木美憲園長は「一人一人の人権意識が成熟する一助となる施設にしたい」とあいさつした。

 同館は鉄骨2階建て延べ806平方メートルで、1階の204平方メートルを資料展示室として整備。入所者自治会の事務所や収蔵庫も備える。

 1909年の前身の外島保養院(大阪市)開院▽隔離強化後の光明園開園▽「人間回復の橋」と呼ばれた邑久長島大橋開通▽らい予防法廃止―などの歴史をパネルで紹介している。

 入所者9人の証言映像のほか、外島保養院と光明園の模型、入所者が使った生活用具など約100点を展示し、ソファを置いた交流スペースもある。総事業費は2億4300万円。

 同園の入所者は116人で、平均年齢は85・8歳。屋猛司自治会長(74)は「過ちが二度と起こらないようハンセン病の歴史を多くの人に学んでほしい」と話していた。(加茂孝之)

(2016年10月18日朝刊掲載)

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