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ヒロシマの思い 若者が発信 東京 「遠い国から来た、良き日」上演

 原案、メインキャストともに広島市在住の若者が担った演劇「遠い国から来た、良き日」が、東京都内の劇場で上演されている。被爆地・広島の中学生とイラク人少年の交流を描き、戦争を知らない世代の平和観を問う内容となっている。

 劇は全編広島弁で、舞台は被爆70年の広島市の中学校。イラク人の転校生を迎えたクラスが平和学習に取り組む中で、テロに巻き込まれたイラクでの過酷な体験を知る物語だ。

 原案を市内の劇団「DOCS」の上田里沙さん(24)=中区=が作り、劇団を指導してきた東京の劇作家古城十忍(としのぶ)さん(57)が脚本を書いた。上田さんが自身の体験も踏まえ、被爆者の写真を怖がったり、戦争の悲惨さに実感を持てなかったりする生徒のリアルな姿を描いた。

 昨夏にDOCSが広島で初演し、今回は古城さんが主宰する劇団ワンツーワークスが上演する。広島で出演した中区の修道高3年松尾敢太郎さん(17)、山陽高1年潤さん(15)兄弟がオーディションに合格し、東京でも演じることになった。イラク人少年役の潤さんは「演じるうちに他国の紛争を身近に考えるようになった。特に同世代の人に見てほしい」と願う。

 公演は港区の赤坂レッドシアターで23日まで。一般4800円、学生3千円。ワンツーワークスTel03(5929)9130。(田中美千子)

(2016年10月19日朝刊掲載)

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