×

ニュース

青い目の人形 平和の志継ぐ 戦前に米国から寄贈 今福小(浜田市金城)で集会 

 浜田市金城町の今福小で18日、戦前の1927年に米国から贈られた「青い目の人形」について5、6年生全11人が発表する全校集会があった。広島市中区の原爆資料館で6月、オバマ米大統領の折り鶴を見学したことにも触れ、平和や友情の大切さを見つめ直した。(森田晃司)

 人形の名前は「キャサリン」。宣教師のシドニー・ルイス・ギューリック博士が日米友好の象徴として全国に贈ったうちの1体だ。41年に太平洋戦争が始まり、敵国の人形として多くが処分されたが、同校では屋根裏に隠された。

 71年の校舎建て替えの際、発見され、93年から玄関のガラスケースに展示している。同校に人形が届いた10月18日を95年に「青い目の人形記念日」と定め、全校集会を続けてきた。

 この日の集会では、6年生が原爆資料館に折り鶴とともに展示されているオバマ大統領のメッセージを読み「ギューリック博士の気持ちと一緒だと思いました」と発表した。

 5、6年生は、県内ではほかに大田市の仁摩小にしか人形が残されていないことや、98年にギューリック博士の孫から、もう1体の友情の人形「ヘレン」が贈られたことも紹介。「今福小の宝を大切にして、世界中の子どもたちと仲良くなりましょう」と下級生43人に呼び掛けた。

 6年の前田碧華(あおな)さん(12)は「来年は人形が学校に来て90年。もっと詳しく調べて発表してほしい」と思いを託した。

(2016年10月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ