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被爆死米兵の足跡上映 柳井で来月12日 米機墜落地の伊陸住民ら企画 

オバマ氏と対面 森さん講演も

 広島で被爆死した米兵捕虜のドキュメンタリー映画「ペーパー・ランタン(灯籠流し)」を上映するつどいが11月12日、柳井市のアクティブやないである。捕虜の一部が搭乗していた米軍爆撃機の墜落現場がある同市伊陸(いかち)の住民たちが企画した。5月に広島市を訪れたオバマ米大統領と対面した被爆者で、歴史研究家の森重昭さん(79)=広島市西区=の講演もある。(井上龍太郎)

 監督は米国人のバリー・フレシェットさん(46)。原爆の犠牲になった米兵の足跡を広島市などでたどった。昨年8月には米兵遺族のおいや、被爆死した米兵捕虜を長年調べてきた森さんと伊陸を訪ね、墜落を目撃した住民の証言を撮影した。

 パラシュートで伊陸周辺に脱出後、広島に連行された米兵は6人が被爆死した。つどいを主催する実行委員会によると、映画はこの春完成し、東京や米国で上映されたという。

 伊陸の住民は、東京へ移送され被爆を免れた爆撃機の機長と戦後に交流。1998年には「平和の碑」を墜落現場近くに建てた。20日に柳井市役所で記者会見した実行委の武永昌徳委員長(65)は「戦争に勝者も敗者もなく、悲しみは同じ。伊陸が紡いだ交流を知ってほしい」と話した。

 午後2時開演で、森さんが「オバマ大統領のヒロシマ演説を聴いて」と題して講演。平和記念公園(広島市中区)で、演説後のオバマ氏と抱擁を交わした当日を振り返る。続いて映画を上映する。

 フレシェットさんも訪れる。無料。小学生以上対象で申し込みが必要。25日から市役所や伊陸公民館など市内6カ所で受け付ける。先着410人。事務局の同公民館Tel0820(26)0001。

(2016年10月21日朝刊掲載)

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