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中電 3年連続黒字へ 17年3月期 自由化影響せず

 中国電力が2017年3月期の連結決算で最終黒字を3年連続で確保する見通しであることが25日、分かった。今年4月の電力小売り全面自由化で顧客の流出は少なく、円高傾向で燃料の輸入コストが減ったことも業績へのプラス要因になっている。(河野揚)

 中電はこれまで島根原発2号機(松江市)の再稼働の時期が不透明として、17年3月期の純損益の業績予想を「未定」としていた。今期も再稼働は難しいとみて、今月末にも予想を示す方向。純損益は黒字になるとみられる。

 電力小売り全面自由化後、9月末時点で家庭向けの顧客流出は約5500件にとどまり、業績にはほぼ影響がない見込み。為替は前期平均の1ドル=120円より円高で推移し、火力発電の燃料費を下げている。

 ただ、燃料費調整制度に基づき、電気料金が前期より下がるため、売上高は減少する見通し。原油価格も上昇傾向に転じており、純利益は前期の271億円よりも減る公算が大きい。

 中電は、島根2号機が東京電力の福島第1原発事故後に長期停止している影響で、13、14年3月期の純損益が2年連続で赤字になった。原油価格が下がり、資材調達などのコスト削減も徹底した結果、15、16年3月期は黒字を確保した。

 中電は13年12月、島根2号機の再稼働に必要な適合性審査を原子力規制委員会に申請。規制委が審査を続けている。

(2016年10月26日朝刊掲載)

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