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島根原発 使用済み核燃料 松江市が課税断念

 松江市が、検討していた中国電力島根原発(同市鹿島町)の使用済み核燃料への課税を断念したことが26日までに分かった。核燃料に課税している島根県が島根1号機の廃炉作業中も引き続き課税できるよう中電と協議しており、市は「実現すれば、敷地外への早期の使用済み核燃料搬出という目的も達成できる」としている。

 松浦正敬市長は6月、「追い出し税」として使用済み核燃料への課税検討を表明。「原発敷地内に核燃料があり続ける以上、防災対策の財源が必要」とする県とは別に中電と協議してきたが、県だけの協議とすることで県と合意した。

 現行の核燃料税は税収の2割を松江市のほか、県内で原発30キロ圏にある出雲、安来、雲南市にも配分しているため、松江市独自の課税は理解を得られにくいとの判断もあるとみられる。

 県によると、廃止措置計画の認可後は課税できなくなる1号機分の核燃料税について、全額を停止中も課税できる出力割とすることで、約4億5370万円の税収を見込めるという。使用済み核燃料の搬出が進めば、税率の引き下げも検討する。県は中電の同意を得た上で、来年2月の県議会定例会に条例改正案を提出したい考え。(秋吉正哉、西村萌)

(2016年10月27日朝刊掲載)

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