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旅行プラン作り日韓学生タッグ 朝鮮通信使テーマ 広島経済大「若者交流の懸け橋に」

 広島経済大(広島市安佐南区)の学生と韓国・嶺南(ヨンナム)大学校の学生が、江戸時代に朝鮮王朝から派遣された外交使節団「朝鮮通信使」をテーマにした旅行プランを研究している。本年度内に旅行会社に提案する。メンバーは「両国の若者が楽しめるプランに仕上げ、日韓交流の懸け橋にしたい」と知恵を絞っている。(木原由維)

 メンバーは、経済大の4学科と、姉妹校で慶尚北道にある嶺南大学校の日本語日文学科の計17人。日韓の観光地の視察を踏まえて作成する。8月には使節団が経由した長崎県の対馬市を訪ねた。

 使節団が出港した釜山市の街並みを眺められる展望所、日朝交流に尽力した対馬藩主宗家の菩提(ぼだい)寺…。10月に経済大で開いた報告会では「対馬は自然と歴史が調和し、物語の世界に迷い込んだよう。映画やアニメの舞台に最適」「互いの食文化や伝統を体感する仕掛けが必要」などと活発に意見を交わした。

 同月中旬には、島を挙げて使節団を歓待した呉市の下蒲刈島で、通信使の再現行列に参加。朝鮮通信使資料館も見学した。嶺南大学校4年李旼姫(イ・ミンヒ)さん(24)は「韓国では分からない歴史を学べることは大きな魅力」と話す。

 プラン作成は、若者の旅離れを研究する経済大の「若旅促進プロジェクト」の一環で、嶺南大学校に呼び掛けた。リーダーの3年藤田梨沙さん(20)は「若者に対馬や下蒲刈で交流してもらいたい。友好関係を築いた朝鮮通信使の現代版となるようなプランを作りたい」と話している。

(2016年10月27日朝刊掲載)

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