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「先延ばし認識ない」 上関埋め立て 中電に7度補足要求 山口知事、許可巡り説明

 山口県が中国電力に同県上関町での原発建設予定地の海を埋め立てる免許の延長を許可した経緯を巡り、村岡嗣政知事は27日、同社の延長申請後に7度にわたり補足説明を求め、許可まで3年10カ月かかった点について「判断を先延ばしした認識はない」と述べた。

 県が中電に求めた補足説明と回答文書のやりとりは4度目までは短期間だったが、2013年3月の5度目の補足説明の要求から回答期限を約1年に延ばした。政府が原発新増設への方針を明確にしない中、先延ばしとの批判もあった。この日の定例記者会見で村岡知事は「情報整理に期間が必要だとして1年間にしたが、中電はいくらでも早く回答できた」とした上で、「可否の判断ができるだけの材料がなくやりとりを重ねた」と説明した。

 また、県が延長許可後の9月、中国新聞の情報公開請求に対し7度の補足説明と回答文書を初めてほぼ全面開示したが、それまでの黒塗り部分に、上関町総合計画など公表されている情報も含まれていた。これについて村岡知事は「中電の了解も取りながら審査対象のコアな部分は会見で説明してきた。開示後、実はこんな重大なやりとりをしていたのかというのはなかったはずだ」とし、適切な対応との認識を示した。(佐藤正明)

(2016年10月28日朝刊掲載)

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