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舟入高(広島)山中さん 日本から唯一入賞

朽ちた爆弾 小鳥は安心見つめる

 国連軍縮部などが「核兵器のない世界」をテーマに募った絵画コンテストで、舟入高(広島市中区)2年山中あいさん(16)=中区=の作品が13~17歳部門の2位に選ばれた。年齢別の3部門に92カ国から6623点の応募があり、計12人が入賞。日本からは山中さんだけで、入賞作は2013年の国連のカレンダーに使われる。(増田咲子)

平和願う心を描く

 コンテストは2~4月、国連軍縮部と米国のハーモニーフォーピース(平和のしらべ)財団(鳥居具子理事長)が5~8歳、9~12歳、13~17歳の三つの部門で募集。芸術分野の審査員が創造性や技術面を評価し、各部門で4人ずつ選んだ。

 山中さんは、鉛筆描きの原画にパソコン上で色付けした。核兵器の上に小鳥が乗っており、「鳥が見つめる先に核のない安心できる世界をイメージした」。爆弾にはツタが絡まり、穴からリスが顔をのぞかせる。「広島の人々の平和を願う気持ちが核兵器を朽ちさせた」と話す。

 鳥居理事長は「繊細なタッチ。核を過去のものにして未来につなげている」などと評価している。高校で美術部に所属する山中さんは祖父が被爆者。「絵を通して、ヒロシマから核兵器の無意味さと平和の大切さを世界に発信したい」と入賞を喜んでいる。

(2012年6月25日朝刊掲載)

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