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「日本政府 度胸ない」 核禁止条約反対 広島市長が苦言

 国連総会第1委員会(軍縮)で「核兵器禁止条約」制定交渉の開始を定めた決議案に反対した日本政府に対し、広島市の松井一実市長は31日の記者会見で「度胸がない。核抑止に頼る考え方を捨て、禁止条約の議論に踏み出す勇気を持つべきだ」と苦言を呈した。

 松井市長は、決議案の採決を受けて28日に岸田文雄外相に文書で抗議した。この日は政府に対して「賛意を示すのが被爆者の思いに沿う。極めて遺憾だ」とあらためて強調。「核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」と訴えた5月のオバマ米大統領のヒロシマ演説を引き合いに、「勇気を持つべき局面だ」と指摘した。

 来年3月に始まる見通しの条約交渉で、核兵器保有国も交えた建設的な議論が進むような役回りも注文。「禁止の議論を早めるのが必要だ。今回の対応をリカバーしてもらいたい」と述べた。(水川恭輔)

(2016年11月1日朝刊掲載)

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