×

ニュース

ゼリー状ヨウ素剤 備蓄へ 原発事故想定 島根・鳥取県 乳幼児服用しやすく

 島根、鳥取両県は、中国電力島根原発(松江市鹿島町)の事故に備え、3歳未満の子どもでも服用しやすいゼリー状の安定ヨウ素剤の備蓄を始めた。原発30キロ圏の両県6市で、本年度内に計約3万3500人分を備蓄する。(秋吉正哉)

 生後1カ月未満の新生児用と、1カ月以上3歳未満の乳幼児用の2種類。国内の医薬品メーカーがことし開発した製品を国の負担で調達し、島根県内は計約2万9400人分、鳥取県内は計約4100人分を備蓄する。両県によると、30キロ圏内の3歳未満の住民は島根県が約1万5400人、鳥取県が約1600人。

 安定ヨウ素剤は甲状腺被曝(ひばく)を予防する効果があるとされ、現在両県が錠剤を備蓄したり、事前配布したりしている。被曝の影響が大きいとされる3歳未満は、錠剤を直接、服用するのが難しいとみられ、薬剤師が粉末をシロップに溶かして飲ませる必要がある。このため、緊急時に人員や機材が確保できるかなどの課題があった。

 島根県医療政策課は「ゼリー状なら一般家庭でも服用できるため、錠剤と同様に事前配布ができないか検討したい」としている。

(2016年11月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ