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F35岩国配備 市長容認 市議会全協「悪化ないと確認」

 岩国市の福田良彦市長は2日の市議会全員協議会で、来年1月以降、米海兵隊岩国基地に最新鋭ステルス戦闘機F35B計16機を「機種更新」として配備する計画について「承認したい」と述べ、市として受け入れる考えを表明した。山口県や周辺自治体との協議を経て国に回答する。

 全協で福田市長は、騒音、安全性、運用、環境面の四つの観点から住民生活への影響を検証した結果を説明。「現状より悪化することはないと確認できた」とし、容認姿勢を示した。米国外で初の配備となる同機が現在拠点とする米アリゾナ州の海兵隊ユマ基地の視察のほか、国への文書照会に対する回答などから総合的に判断したという。

 質疑では、市長の対応に理解を示し地域振興策の充実などを求める声がある一方で、「基地機能強化」として配備に反対する意見や市長の判断が拙速だとする批判もあった。

 議論を踏まえ、福田市長は協議会の最後に受け入れを表明。「岩国基地の他の機種と同様に飛行規則が順守されるべきであり、騒音の軽減など住民生活に配慮するよう引き続き米軍や国に求めていく」と述べた。

 F35Bの配備計画は8月22日、外務、防衛両政務官が山口県と市に伝えた。計画では、17年1月に岩国基地のFA18ホーネット部隊(12機)をF35B10機に更新。同8月、AV8Bハリアー部隊(8機)をF35B6機に切り替える。

 山口県の村岡嗣政知事はこの日、報道陣に対し「特に違和感はない。県としては市や周辺町の意向を聞いて最終的に判断したい」と述べた。(野田華奈子)

F35
 レーダーに映りにくい高度なステルス性を誇る最新鋭戦闘機。米ロッキード・マーチン社が米海・空軍、海兵隊向けに3タイプを開発。米海兵隊岩国基地に配備予定のF35Bは短距離離陸と垂直着陸ができ、全長15・6メートル、翼幅10・7メートル、最大速度マッハ1・6。

(2016年11月3日朝刊掲載)

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