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写真の第41回伊奈信男賞 広島の藤岡さん 栄誉

 昨年10月からの1年間、東京と大阪にあるニコンサロンで開かれた写真展の中から最優秀作品に贈られる第41回伊奈信男賞に、呉市出身の写真家藤岡亜弥さん(44)=広島市西区=の「川はゆく」が選ばれた。

 「ヒロシマ」として世界に知られる被爆地を、日常の視点から切り取った作品展。平和記念公園(中区)の川辺で憩う観光客や、豪雨の後の荒れた川の風景など、スナップ約60点で構成し、今夏に地元広島のギャラリーG(同)のほか、東京・銀座と大阪のニコンサロンで相次いで開いた。

 選考では「現在の風景を歴史的事実につなげ、示唆する構造が幾つも隠されている」と評価された。

 藤岡さんは日本大芸術学部写真学科卒業後、会社勤めを経て写真家に。東京や米ニューヨークで活動し、3年前に広島へ移った。受賞の決定に「求められるヒロシマ像ではなく、自分の目で見た光景を、撮りながら考え、考えながら撮った。これからもこの姿勢を続けたい」と話す。

 同賞の女性の受賞は初めて。賞金は100万円。贈賞式は12月6日、東京都内で。受賞作品展が11月29日~12月12日に東京・新宿ニコンサロン、来年1月5~11日に大阪ニコンサロンで開かれる。(森田裕美)

(2016年11月4日朝刊掲載)

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