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アフガン研修生が新百科事典を完成 広島が支援

■記者 桑島美帆

 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所が主催する「アフガニスタン奨学プロジェクト」の研修生が、同国では約30年ぶりとなる新しい百科事典の最初の1冊を完成させた。4日、真新しい事典を藤田雄山知事に届けた。

 アフガニスタンの公用語であるパシュトゥン語とダリ語で書かれた各1冊。1980年代のソ連軍侵攻や90年代のタリバン政権下で混乱が続き、未完成だった事典に、社会、科学、経済、文化の項目を新たに加えて作った。

 2005年の研修生の企画を基に、アフガニスタン政府などから計5万ドルの資金を集め3年がかりで実現。今後数年かけて計50巻余りを完成させる。

 昨年の研修生で今回コーチとして参加しているグル・アフガン・サレさん(50)は「事典は研修の小さな成果の1つ。母国の平和貢献に果たす役割は大きい」と藤田知事に研修支援の継続を求めた。

 研修は、アフガニスタンの政府関係者や医師、教育関係者らを対象にした年間プログラム。県が主に出資し、2003年に始まった。今年は4月から、24人が受講している。

(2008年11月5日朝刊掲載)

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