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スイス上院議長 原爆資料館見学 「平和へ努力必要」 広島市中区

 スイスの上院に当たる全州議会のラファエル・コント議長(37)が4日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。被爆の実態に触れ「二度と起こしてはならない。核の拡散を防ぎ、より平和な世界を目指して努力する必要がある」と語った。

 コント議長は広島平和文化センターの小溝泰義理事長の案内で原爆資料館を巡り、焼け焦げた弁当箱などを熱心に見つめた。

 見学後の記者団のインタビューで、先月の国連総会第1委員会(軍縮)で「核兵器禁止条約」制定交渉開始を定めた決議案の採決にスイスが棄権した経緯に言及。核兵器保有国と非保有国の対立を念頭に「全ての国が交渉のテーブルに着く必要があるので棄権した。スイスは橋渡し役として機能したい」と明かした。

 コント議長は参院議長との交流のため10月30日に来日。広島市訪問は初めてでこの日は原爆慰霊碑に献花。原爆ドームを眺め、被爆者の体験を聴いたほか、市役所で松井一実市長と面会した。(渡辺裕明)

(2016年11月5日朝刊掲載)

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