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あの日の惨禍知って 山口で原爆展 被爆証言も

 核兵器廃絶を願う原爆展が4日、山口市朝田のJR山口線大歳駅で始まった。市原爆被害者の会の主催。この日は1歳になる直前に広島で被爆した松川隆さん(72)=山口市白石=が語った。5日午後2時からも証言があり、展示は6日まで。

 12歳で亡くなった佐々木禎子さんの姿から原爆の惨禍を伝えるA1判ポスター26枚を展示。溶け固まったビール瓶や漫画「はだしのゲン」なども並ぶ。

 松川さんは、両親の話などを基に証言。自宅2階の窓際にいて被爆した叔母は病気がちとなり、約10年後に他界した。水を求める人々が池の周りで息絶えたという話を自ら描いた絵も紹介した。「核兵器は今も人類を脅かしている」と話した。

 国連総会第1委員会は10月、2017年の「核兵器禁止条約」交渉開始を決めた。松川さんは「『使っちゃいけん』と訴えてきたのが被爆者。その願いと重なる」と話した。(宮野史康)

(2016年11月5日朝刊掲載)

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