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探せ新スポット オバマ氏の折り鶴(広島市) 核なき世界 願い羽ばたく

 広島市中区の原爆資料館にある真新しい展示ケース。人だかりが絶えない。中には、5月27日に同市を訪れたオバマ米大統領から贈られた自作の折り鶴2羽とメッセージを記した芳名録。写真を撮ったり、メモをしたりと、来館者の熱心な視線が注がれている。

 折り鶴は、桃色とオレンジ色で高さ約7センチ。芳名録には「核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」。愛知県瀬戸市の会社員江森作馬さん(34)は「丁寧に折っていて平和への願いが分かる」と見入る。

 オバマ氏の来訪で、6、7月の来館者数は前年比で約40%増えた。8月末までの予定だった展示は、修学旅行を控えた学校などの要望で来年1月末まで延長された。同館の加藤秀一学芸課長(55)は「折り鶴を見て、核兵器の怖さを学ぶ人が増えれば」と話す。

 贈られた折り鶴は、ほかに2羽。1羽は長崎市に貸し出し、もう1羽はシカゴで開かれた原爆展に出品された。折り鶴は、核兵器のない世界へ向けて羽ばたき始めている。(写真と文・河合佑樹=中国新聞)

(2016年11月8日セレクト掲載)

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