×

ニュース

被爆死米兵と平和問う 柳井で上映会 出演の森さん講演

 広島で被爆死した米兵捕虜を紹介したドキュメンタリー映画「ペーパー・ランタン(灯籠流し)」を上映するつどいが12日、柳井市のアクティブやないであった。捕虜の研究に取り組み、映画に登場する被爆者の森重昭さん(79)=広島市西区=が講演した。

 5月、広島市を訪れたオバマ米大統領の演説を最前列で聴き、抱き合った森さん。原爆の犠牲になった米兵捕虜への言及に苦労の記憶がよぎり、「涙が止まらなかった」と振り返った。自身は国民学校3年の時に被爆しており、「戦争の無意味さと平和の尊さに気づいて」と呼び掛けた。

 映画は、捕虜の遺族と森さんの交流を追うストーリー。昨年8月には、捕虜の一部が搭乗した爆撃機の墜落現場のある柳井市伊陸(いかち)で撮影した。柳井中1年角田康輔さん(13)は当時、譲り受けていた墜落機の破片と折り鶴を、ロケで訪れた遺族に贈った。「戦争の悲しさを忘れず、伊陸での出来事を伝えていきたい」と話した。

 つどいは伊陸の住民たちが企画し、約390人が参加した。米国のバリー・フレシェット監督(46)も家族で来場し、歓迎を受けた。(井上龍太郎)

(2016年11月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ