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日露会談へ情報発信 村岡山口知事が意欲

 12月15日に長門市である日ロ首脳会談の開催まで1カ月となった15日、山口県の村岡嗣政知事は県庁で記者会見し、会談をきっかけにロシアへの情報発信を強め、観光客の呼び込みにつなげる考えを示した。会談の成功に向けて、関係者のおもてなしや警備などに万全を期す姿勢も強調した。

 観光庁によると2015年に県内で宿泊したロシア人は延べ60人。県全体(延べ7万4260人)の0・08%にとどまり、20カ国・地域別で最も少なかった。中国地方5県でも最少で、広島(延べ3110人)などに水をあけられている。

 村岡知事は「ロシアでも『山口』が話題になっていると聞く。ロシア語の特設サイトや観光パンフレットで情報発信したい」と述べた。22日から県内を訪れるロシア国営放送の旅番組の撮影などにも協力する。

 会談の準備には、外務省や県警と連携して万全を期すと繰り返した。1895年に下関市で交わされた日清戦争の講和条約「下関条約」を念頭に「県内ではそれ以来の大きな外交の舞台となる。県民全体で温かく迎えたい」と意気込んだ。

 県は外務省に、プーチン大統領の視察先として錦帯橋(岩国市)や日露兵士の墓(長門市)など30カ所を提案。夕食などの食材として、岩国市特産の岩国れんこんなど50品目の採用を働き掛けている。(村田拓也)

(2016年11月16日朝刊掲載)

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