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市民団体 街頭で抗議 駆け付け警護 中国地方 陸自関係者は冷静

 政府が南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊に「駆け付け警護」を付与する閣議決定をした15日、中国地方では市民団体が抗議活動をする一方、陸上自衛隊関係者は新たな任務を冷静に受け止めた。

 広島市中区の広電本通電停前では、市民団体「ストップ!戦争法 ヒロシマ実行委員会」のメンバーたち35人が「南スーダン自衛隊は即時撤退せよ」などと書かれた横断幕を掲げた。

 同団体の山田延広弁護士は「戦闘行為がある地域に自衛隊を派遣するのは憲法違反」と強調。メンバーたちも「殺し殺される事態を生み出す新任務は絶対に許されない」などと通行人に呼び掛けた。

 海上自衛隊呉基地がある呉市のJR呉駅前では、市民団体「ピースリンク広島・呉・岩国」のメンバー6人が抗議の声を上げた。西岡由紀夫・呉世話人(61)は「輸送艦がある呉基地が海外派遣に果たす役割は大きい。呉から犠牲者を出してはならない」と訴えた。

 自衛隊関係者は、閣議決定を粛々と受け止めた。2013~14年に南スーダンへ隊員2人を派遣した陸自第13旅団(広島県海田町)。鈴木克典広報室長は「命令が下れば部隊が編成され、新任務の訓練などもあるだろう。その時は淡々とやり遂げるだけだ」。山口県内の陸自隊員も「命じられたら任務を全うするしかない。多くの隊員もそうだろうし、自分もそうだ」と話した。

 一方、広島市内のある陸自OBは「新たな任務は人命に関わるリスクは高くなるはず。心配する家族もいるのでは」と後輩を思いやった。

(2016年11月16日朝刊掲載)

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