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トランプ氏に書簡 広島・長崎市長 被爆地訪問要請

 広島、長崎両市は16日、トランプ次期米大統領に対し、被爆地訪問を求める書簡を送った。オバマ大統領の広島訪問が5月に実現し、被爆地で「核兵器なき世界」への期待が高まる中、就任前では異例とみられる個別要請をした。

 書簡は松井一実、田上富久両市長の連名。被爆の実態に触れて核兵器の非人道性に理解を深め、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の思いを受け止めるよう訴える。その上で「核兵器に依存する考え方から脱却し、『核兵器のない世界』に向けて具体的な行動を」との期待を記す。トランプ氏の住居があるという米ニューヨークのトランプタワーに宛て、国際郵便で送った。

 両市はオバマ氏へは就任後に5回、被爆地訪問を求める書簡を送付。オバマ氏はことし5月、現職大統領として初めて広島の地を踏んだ。市平和推進課は「核軍縮を巡る国際情勢が厳しい中、核超大国の次期リーダーへの期待は大きい」としている。

 トランプ氏は核政策に関し、大統領選前に日本や韓国の核武装を事実上容認する発言が取り沙汰されたが「言っていない」と否定し、軌道修正した。(長久豪佑)

(2016年11月17日朝刊掲載)

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