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碑文刻む 平和カレンダー 6000部を発行

■記者 森田裕美

 広島平和教育研究所(広島市東区)の2009年度版「ヒロシマ平和カレンダー」が完成した。6000部を発行し小中学校には要望に応じて無料配布。1部1000円で販売もする。

 カレンダーは来年4月から1年間で「石に刻むヒロシマの魂」がテーマ。表紙を含めA2判7枚で、平和記念公園(中区)や周辺にある原爆慰霊碑、原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑など6つの碑を写真で紹介。碑文の意味などを説明する。

 カレンダーは1982年度から発行し、県内の小中学校の全教室に行き渡るよう1万3000部作製していた。「教育の中立性が問われる」として教育委員会の指導で教室から撤去されるケースが出始め、05年度版からは部数を半減。今年10月にも尾道市の中学校の校長が教室から撤去するよう職務命令を出し、同研究所が21日、県教委に抗議文を提出した。

 藤井睦弘事務局長は「カレンダーは政治利用ではない。被爆体験の風化を防ぐためにも多くの人に見てほしい」と話す。12月26日までに申し込む。Tel082(262)5785。

(2008年11月7日朝刊掲載)

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