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被爆「伝承者」128人応募 広島市予想 大幅上回る

 被爆者の体験を語り継ぐ人材を養成するため、広島市が初めて公募した「被爆体験伝承者」に全国から128人の応募があったことが29日、分かった。応募者数について松井一実市長は「30人程度」と見込んでいたが、大幅に上回った。

 市が締め切り前日の28日現在の応募者数をまとめた。128人は19~78歳で、男性42人、女性86人。広島県内に住む人はうち115人で、残り13人は山口、奈良、東京など10都道府県から。29日到着分の応募者もおり、人数はさらに増える見通しだ。5月15日から募集していた。

 応募者は全員、本年度から3年間、広島市内で研修を受ける。本年度は計13回の講座で原爆被害の概要などを学ぶ。来年度から、原爆資料館(中区)で体験を証言している被爆者23人から指導を受け、最終年度は実習を積む。伝承者として市側の委嘱を受け2015年度から活動する。

 市平和推進課は「被爆体験の継承に使命感を燃やしている人が多く、期待したい」と話している。(田中美千子)

(2012年6月30日朝刊掲載)

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