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太陽光・風力 原発1基分 発電能力 計100万キロワット超す

 中国地方にある太陽光と風力の発電設備の発電能力が、計画中を含めて少なくとも計104万キロワットに上ることが30日、分かった。発電は天候などに左右されるものの、出力は原発1基分に相当する。1日には再生可能エネルギーを高値で買い取る固定価格買い取り制度が始まり、普及が加速しそうだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や各県、事業者の発表を基に中国新聞が集計した。

 現在、稼働中なのは71万8千キロワット。うち、太陽光は41万7千キロワット。10万件余りの家庭や企業に加え、昨年12月に稼働した中国電力福山太陽光発電所(福山市、3千キロワット)がある。風力は30万1千キロワット。島根、山口、鳥取県を中心に152基が稼働する。

 計画中は32万3千キロワット。千キロワット以上のメガソーラーが21カ所、計8万4千キロワット。風力も7カ所で23万9千キロワットの予定がある。メガソーラーは2014年度まで、風力は16年度までの稼働を目指す施設が多い。

 メガソーラー計画は、瀬戸内を中心とした日照条件のよさが追い風。風力は、日本海側を中心に冬の西風に着目する計画が進む。

 1日に始まる固定価格買い取り制度は、再生エネルギーによる発電を増やす狙い。島根県内3カ所で風力発電所を運営する中国ウィンドパワー(浜田市)は「収益の安定が見込めるようになる」と、県内に新たに2カ所を検討する。

 一方、太陽光は天候、風力は風の強さに影響され、発電の安定性に欠ける課題がある。買い取り制度は一般の消費者や企業が広くコストを負担する仕組みで、公平でないとの指摘もある。(和田木健史)

固定価格買い取り制度
 再生可能エネルギーによる発電を普及させるための制度。太陽光や風力で発電した電力の全量を、発電事業者が採算や利益を確保できる価格で買い取るよう電力会社に義務付けた。電力会社は買い取り費用を電気料金に上乗せして回収する。

(2012年7月1日朝刊掲載)

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