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カープ 広島市へ5億円 前田投手譲渡金の一部寄付 原爆ドーム保存など要望

 広島東洋カープは21日、広島市へ5億円を寄付したと発表した。ポスティングシステムを利用して米大リーグのドジャースに移籍した前田健太投手の譲渡金2千万ドル(約23億7千万円)の一部。4億円を少年野球やソフトボールなどができるスポーツ広場の整備に、残る1億円を原爆ドーム(中区)の保存に使うよう望んでいる。

 25年ぶりにリーグを制したカープは「長年応援してくれた市民に対し、少しでも恩返しをしたかった」と説明。スポーツ広場の整備場所は、広島県と市が活用策を協議している県営広島西飛行場跡地(西区、36ヘクタール)を念頭に置いている。

 同跡地では、県、市が公募した民間のアイデアを基に、中央部の「スポーツ・レクリエーション」ゾーンに公共施設の建設を検討中。市は当面、受け取った4億円を外郭団体で公益財団法人の市スポーツ協会に拠出し、少年野球振興基金に入れる。この基金には、2003~15年度にカープが寄付した計1億4千万円も蓄えているという。

 1億円は市の原爆ドーム保存事業等基金に積み立てる。松井一実市長は「スポーツの発展や、核兵器廃絶と世界恒久平和の大切さを訴え続ける原爆ドームの保存のために有効活用する」とのコメントを発表した。

 カープは2月にキャンプ地の宮崎県日南市、沖縄市に各1億円を贈っていた。(和多正憲)

(2016年11月22日朝刊掲載)

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