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原爆ドーム世界遺産登録20年 核廃絶へ 誓い新た 被爆者ら 広島

 原爆ドーム(広島市中区)の世界遺産登録20年を前に23日、中区の広島国際会議場などで記念行事があった。広島県被団協(坪井直理事長)や連合広島など12団体でつくる核兵器廃絶広島平和連絡会議が主催。核兵器廃絶と恒久平和への誓いを新たにした。

 同会議場でフォーラムがあり約500人が参加した。被爆者で元原爆資料館長の原田浩さん(77)=安佐南区=が講演し、約165万人分の国会請願の署名が登録の力になったと強調。「行政と市民が一体で平和事業に取り組むことが広島の願いである核兵器廃絶と恒久平和の実現につながる」と訴えた。

 また高校生平和大使として8月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れた高校生3人が報告。舟入高2年伊藤美波さん(17)=安芸区=は「核兵器が廃絶され世界が平和になる日まで諦めず活動を続けたい」と力を込めた。

 その後、参加者は原爆ドーム前に移動して黙とう。「世界遺産登録の意義を再認識し、被爆の実相を次代に継承する運動を強化していかなければならない」との平和アピールを採択した。

 原爆ドームは1996年12月6日、厳島神社(廿日市市宮島町)とともに国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で登録が決まった。(渡辺裕明)

(2016年11月23日朝刊掲載)

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