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グアテマラから平和願う絵 幟町小に届く

 戦争や平和をテーマに創作を続ける日本画家稲田善樹さん(71)=東京都稲城市=が2日、中米グアテマラの小学生に作ってもらった折り鶴20羽と絵画14点を広島市中区の幟町小に贈った。

 稲田さんは昨年1~2月、1996年まで36年間続いた内戦からの復興の途上にある同国に滞在。現地の小学校に通う子ども14人と触れ合い、平和記念公園(中区)にある「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんや、ヒロシマの復興について紹介した。

 児童が作った折り鶴と現地の風景画などを持ち帰っており、平和教育に役立てたいと、禎子さんの母校である幟町小への寄贈を思い立った。同校は絵を校内に掲示する。折り鶴は原爆の子の像などにささげる予定という。

 稲田さんは旧満州(中国東北部)生まれ。終戦後、父親の実家がある久井村(現三原市)に引き揚げ、被爆した広島の惨状も見た。「寄贈した折り鶴や絵が、平和の大切さをあらためて考えるきっかけになれば」と話していた。(松尾直明)

(2012年7月3日朝刊掲載)

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