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米軍機低空飛行603件 広島県内 本年度上半期 県、中止要請へ

 広島県内で本年度上半期(4~9月)に目撃された米軍機とみられる低空飛行は603件で、昨年度同期比で127件減少したことが県のまとめで分かった。県は「住民の不安感は依然として強い」とし、近く日米両政府に低空飛行訓練の中止などを要請する。

 各市町が把握した件数を基に集計。23市町のうち9市町に目撃情報が寄せられていた。内訳は北広島町が422件と最多。安芸太田町87件▽廿日市市71件▽三次市10件▽庄原市4件▽大竹市4件▽広島市3件▽江田島市1件▽世羅町1件―と続いた。世羅町は、調査を始めた1997年度以降で初めて情報が寄せられた。目撃日数は計100日。昨年度上半期は97日で730件だった。

 曜日別は土日と祝日が24件で、昨年度同期比で6件増。時間帯別でみると、午後7時~午前7時が54件と1割近くを占めた。

 県内では中国山地を横断するとされる「ブラウンルート」や西中国山地の「エリア567」が訓練空域に設定されている。県国際課は「目撃件数は減っているが月100件ペースと依然として多い」と指摘する。

 県の担当者は近く防衛省と外務省を訪れ、低空飛行訓練の中止や国費による騒音測定器の設置などを要請する方針。米国大使館(東京)と米海兵隊岩国基地(岩国市)にも同様の要請文を郵送する。(胡子洋)

(2016年11月25日朝刊掲載)

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